「先生の、せいです。」


 気づけば、そう反論していた。


「なに?俺の教え方が悪いと?」


 そうじゃないんだけど……


「はい。」


 言ってしまった。


「じゃあ、放課後、居残りだ。」


「えぇ!?なんでー!!」


 なんで、そうなるの……

 今日は、真心とショッピングに行く予定だったのに……



 あっ、でも……


 先生と、二人きり?


「……い、おい、小泉。もう座れって。」


「えっ?」


「立つなら、廊下な。」


 先生は、一指し指で廊下を指した。


「えっ……嫌です。」


 あたしは、椅子に座った。


 先生を見ていたいのに、廊下とか……


 嫌だ、嫌だ、嫌だ、いーやーだ!!


 「ねぇ、蛍。今日はショッピング、中止か……」


 席に着くと、真心が、何故か笑いながら話しかけてきた。


「うん、残念だね……」


「とか言って……本当は二人きりが嬉しかったり……」


「あははっ、うん……」


 あたしが残念がると、真心は笑ってあたしの心の中を当ててきた。