「おーい、お前ら、もうチャイム鳴ってるぞ」


 急に教室のドアが開いたと思ったら。

 中に入ってきたのは。


 カンッ、トンッ

 机に置いてあったシャーペンを落としてしまった。



  だって。


 スーツを今日が始業式だからかビシッとキメて、ネクタイもちゃんと上まで締めている教師らしき人。


 でも、すごくすごくカッコいい。


 あたしはその人に見惚れながらも、落ちたシャーペンを拾おうと下に手を出した。
でも、あたしの前に誰かの手があたしのシャーペンを取った。

 少し驚いたけど、その手の方を見て、笑顔になる。


「ありがと、真心(まこ)。」


「ううん。てかさ、あの教師の人、めちゃくちゃカッコよくない?」


「…うん、そだね。」



 中学から仲良しの真心。
 同じクラスとか、超嬉しい。


 それにしてもやっぱり、真心もあのイケメン先生をカッコいいって思ったんだ。

 …いや、きっとこのクラス全員だ。

だってさっきから「カッコいい」とか、「きゃー」とか聞こえるし。


 真心と話した後、再びイケメン先生の方を向く。

 なにやら黒板に書いている。


 もしかして、ここのクラス受け持つのかな……?



 こういう先生だったら、さっきの会話のように禁断の恋とかしちゃうのかな……