「自分も持ってきてるくせに」



「俺は、教師」


「生徒に手を出してるのに」


「うっ」



 こうやって話すのが楽しい。



 実花さんからのメールを見る。


『今度、一緒にカフェ行きましょう。私、彼氏出来たの』



「あ、実花さん彼氏出来たって」


「はあ?あいつ、吹っ切るとすごいな」


「ねー」



 みんなが幸せになればいい。



 有雅だって。


 実花さんだって。


 真心だって。


 瞬だって。


 あたしの周りの人、みんなが。


「あー、あたしも彼氏欲しい!」


 そう、叫んだ。


「俺がいるだろ。」


「だって、付き合ってとは言われてないよ。」


「そうだったな。でも、分かったんだ。俺は……」


「そういえば」


「おい、聞けよ人の話」