瞬は笑ってそう言った。


「すまなかったな、二人とも。」


「いえ……」



 なんか、悪いな。


 有雅に守ってもらってばかりだ。



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「あーあ、やっと辞めれると思ったのに」



「もう、まだ新任でしょ。……あたしから離れないでね。」



「フフ、可愛い。」


「それ、反則」



 長い長い廊下を歩く。



 誰もいない教室。


 なんだか、新鮮な気持ちだ。



「ここから、始まったんだよね。」



 全て、そう、ここから。



「ピロローン」



 携帯が鳴る。



「実花さんだ」


「校内持ち込み禁止」