だって、あんな悪者になるような言い方してたもん。



「やっぱり有雅は、最高の幼なじみだね!」



「チッ、結局負けてるし。」



「だって、ありえないくらい素敵なんだもん。」



「……それは、分かる気がするな。だってさ」



「ん?なに」


 有雅はふっと笑って、こう言う。



「別に。それより行って来い。池谷と離れたくないなら。」



「もとはと言えば、有雅のせいだし!」



 あたしは走り出した。



 瞬……


 瞬はわざとあたしに聞かせたんだね。


 有雅と仲直り出来たよ。



 だから、離れたくない。



 分かったの。



 あたしは……



「ふ、俺なら自ら離れて、幸せを願うなんてできねぇし。……悔しいけど、完敗。」



 たくさん、たくさんの愛をもらってるんだね。