チクチクチク……


 時計の音を聴きながら、瞬の腕の温かさを感じた。


 そうやっていると、眠気が襲ってくる。



「あれ?」


 なにかが、心に残った。


「どうした?」


 瞬は自分からあたしを離すと、心配そうに聞いてくる。



「実はね……有雅がおかしいの。」



 そう、気になることがたくさんある。



「おかしい?」



「うん。まず、実花さんに渡された写真のこと。」



 あの写真は、有雅が実花さんに渡したと言っていた。



「写真?」



「有雅が実花さんに渡したって」


「はあ?」



 瞬は、すごく不思議そうだった。


 そりゃそうだ。



 なんのために写真を渡したのだろう。


 ていうかまず、その時には有雅はまだこっちにいなかった。


 あたしは恨まれるようなことはしてないはずだ。