泣いて泣いて、泣きまくる。



 子供みたいに。


 瞬に、遊ばれた。



 辛い、悲しい、苦しい。


 不の感情で、心がいっぱいになる。



 夜の11時。


 ベッドの中でわんわんと声を枯らして泣く。



「瞬、瞬……」



 気づけばずっと瞬の名前を呼んでいる。


 体を曲げたりして暴れながら。



 プルルルルルルッ



 ピタッと、あたしは止まった。



 電話が鳴っている。


 瞬かもしれない。


 机の上で震える携帯を手に取った。



 瞬だったら嫌だ。

 瞬だったら嬉しい。



 画面に書いてあるのは、少し懐かしい『実花さん』の文字。



 残念だけど、ほっとした。



「あ、ってか、切れちゃう。」


 なんにも考えずに電話に出た。