「ハァ……ハァ」



 走って、走って、走りまくった。



 街の中。


 カップルばかりで嫌になる。


「ねぇー!聞いてますか?」



 そんな、妙に聞き覚えのある声で前を見た。



「……そんなに引っ付かないでください。」



「なんでー?デートじゃん!それとも……」


「……あー、はい」


「……なんで」



 ここに、林先生と瞬がいるの?



『林と池谷、今日デートらしいぜ。』



 まさか……本当だったの?


 なんで、なんで、なんで、なんで、なんで…………



『遊ばれてるんじゃねーの?』


 そんなわけない。


 でも、実花さんも……


『セフレみたいなもんじゃん!!』


 違う、違う……



 これも、大人として……


 大人としての、付き合いなの?


「おかしい……」


 そう思うのは、あたしだけ?