「……うん…」


「うそーー!」


 真心は、指だけがちょこっと出ている、いわゆる『萌え袖』の手で鼻から下を覆い隠して言った。


「かる~くって感じだよ?気にしてないと思う……」


「いやいや、絶対に気があるよ!」


 「んー……」




 この後、恋バナで盛り上がっていました。




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「あぁー、話したなぁ……」


 真心と盛り上がっていたら、7時を過ぎていたから、その場で解散した。

 それで、今は帰りの途中。


 もう人がほとんどいなくなった道は、静かで、一人、ゆっくりと考えるのにはちょうどいい。


 でも、まさか。


 今日、今まで恋を嫌っていたというか、本当は少し怖がっていたあたしを卒業した。

 でも、好きになった人は、苦しむことが分かりきったような人だった。

 それでも、あんな風に真心と、友達と恋バナなんて久々で。


 これから、何が始まるかなんて、分からない。

 でも、大体想像がつく。


 たくさん傷つくんだろうな。

 たくさん泣くんだろうな。

 たくさん、たくさん、苦しいことが起きるんだろうな。


 ……あの頃もそうだった。

 楽しいことも、嬉しいこともないと思う。

 …なのに、心に灯ったアカリは、簡単には消せないんだ。