もしも、もしも有雅が言っている通りなら。



 あたしが傷つくことも、瞬や実花さんも傷つくことも分かってたのかな?



 なのに、有雅は写真を渡した。


 そんなに……



「……そんなに」


「……林と池谷、今日デートらしいぜ。やっぱり、お前も……」



「そんなに最低な奴だなんて知らなかったよ!!」



 あたしは走って逃げた。



 あたしの幼なじみは、こんな奴だったの?



 なんで。


 なんでもっと早くに気付かなかったの?


 それに最後の……


『林と池谷、今日デートらしいぜ。』



 瞬まで、バカにしないでよ……!



 湧き上がる怒りや憎しみは、涙に変わった。