ガコンッ



 その音と共に、ペットボトルが落ちてきた。


「あー……なんで上手く言えないんだ。」


 そう呟きながら俺は、自販機からペットボトルを取り出した。



 離さなければ良かった。


 何を言われようと、離さなかったら……


 なのに、俺は……



「池谷先生」



 そんな声が後ろから聞こえてきて、振り返った。



「……林先生」



「いきなり走って行っちゃってびっくりしましたよー。」



 にこっと笑う顔は、どこか怖さを感じて。



 俺のせいなんだけど。


 正直、林先生がこんなこと提案しなかったらって思ってる。




 桝谷先生が飲みに行こうと言ってついて行ったら、林先生がいて。


 林先生主催の合コンだと知ったのは、そのすぐ後。



 俺は帰りたかったけど、一応終わるまで待った。



 すると、もう一軒行くことになったから、今帰ろうと決意したら、蛍に会った。



 あーあ、ついてこなかったら……



 ん?ってか……


「なんで、ここに居るんですか?」