ダメだと分かっていたけれど。




「でもさ、お前なかなか抱かせてくれないし。だったらもういいやって……」



「付き合った時、有雅本気って言ったじゃん!!」



「……あれは、嘘」



 なにもかも、信じられなくなった。


 最初から、嘘だったんだね。


 全部、全部。


 あたしは、なんで何も気づかなかったんだろう。


 バカだったんだ、あたしは。



「ひどいね……ははっ、騙されてたよ。」



 乾いた笑い声を出した。



「でもさ、お前も俺のこと好きじゃなかっただろ?」



 なにそれ……


 あたしの気持ちまで、バカにしないで。


「最初は好きじゃなかった。でも、好きだったもん……ずっと」



「……今も?」



「今は、ちがう。でも、あたしは有雅と幼なじみに戻りたいよ」



 事実を知っても思う。


 あたしにとって、大事な人だから。


「幼なじみ……か。セフレなら、いいよ」



 目の前から、色が消えた。


 モノクロになった。