「うん……だって、ときどきすごく寂しそうだったから……」


「ごめんね。でも、恋、ちゃんとできたっぽい。」


「で、誰なの?有雅よりも、きちんとした恋?」



 真心は、ジュースを飲みながら聞いてきた。



「真心に心配させてばっかだね。今度は、有雅よりも苦しい恋かもしれない。」


「確かに、心配ばっかしてる。でも、謝んなくていいよ。あたしが好きでしてるだけだもん。ただね、苦しい時は、あたしを頼ってほしい。蛍は頼ってくれるけど、大事な時は溜め込んじゃうから。」


「うん。ありがと、真心。」



 あぁ、友に恵まれてるなぁって思える……


 だから、言いたい。

 一番初めに。



「真心、あたし……池谷先生が、好き。」


「……な、なんで!?」


 真心は、あたしが言ったことにすごく驚いていた。


 そうだよね……

 先生だし。


 でもまあ、普通の恋じゃないことは真心も分かってたと思う。
けど、今日会ったばかりで好きになるなんて、びっくりするよ……


 しかも、恋なんてするもんかと思っていたあたしが。


 友達にまで心配されるほど、昔の恋を引きずるあたしが。


 自分でも、かなり驚いた。

 ……今も。


「なんで、あんな先生を好きになったのかな……?」


「そりゃ、ひどいよ、蛍。仮にも蛍が好きな人じゃん。」


 真心は、あたしが言った言葉に、笑っていた。