「いや、気になるっていうか……」




 見てただけなんだけどね。



 有雅のことを知らないクラスの人は、あたしの願望を消した。




「小森有雅君って言うんだよ。カッコいいよー」



「……そっか。」



 やっぱり、嘘じゃない。



 『有雅』



 あたしを、傷つけた相手。



 禁断の恋を嫌がってたのは、傷つくだけと分かってて恋したくなかったから。



 有雅がカッコいいのは知ってたよ。


 幼なじみだもん。



「ほら!噂をすれば!!」



 クラスの子が、ドアを指さす。



 そこに立っていたのは。



 昔より背が高くなっていて、大人っぽくなった、けれど、変わらない顔の、変わらないモテようの、有雅だった。