そのまま、全速力で走った。
後ろで聞こえる声は、無視。
家に帰ったら、すぐに真心に電話をした。
真心は、何も言わなかったあたしを叱ったけど、泣いてるあたしを慰めてくれた。
次の日、有雅に会いたくないけど、学校へ行った。
でも。
「えーっ、昨日、小森有雅君は転校しました。で……」
先生の言葉を疑った。
転校?
なんで……
逃げた?
あたしから?
分からない、分からない。
ただ、あたしの初恋は、分からないという形で胸に留まった……
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そんな傷も、先生のおかげで薄れた今。
彼は、あたしに忘れんなと言わんばかりに心に入ってきた。
「なんで……」
先生が言ってた転校生は、有雅のことだったんだ……


