「謝んないで……あたしが謝らないといけないの……」
真心は、泣きながら言った。
予想していないことで、驚いた。
「なんで……?」
そう、聞き返した。
「だって、気づけなかった……蛍の心にあった苦しみも、悲しみも。辛かったよね、痛かったよねっ……」
だから、ごめん?
そんなの……
「違う。真心は、謝らなくていいよ……あたしが言わなかったんだもん。あたしが……」
「あたしはね、親友だから。気づかないと……」
「それ以前。」
真心の言葉を遮って言った。
真心は、びっくりして「えっ?」と聞き直した。
きっとだよ、きっと。
「あたし達はきっと、お互いを想ってて、知ってて……だから、向き合うことが出来なかった。真心も、そう思ってなかった?」
「……うん、そだね……」
「向き合ってなかったから、あたしは真心に言えなくて。入院のことだって……」
「あたしも。なんかあるんだろうって、ずっと思ってた。でも、いつか言ってくれるなんて勝手に思って、聞こうとしなかった。」
あぁ、やっぱり。
あたし達、本当の親友じゃなかったんだね。
でも、これからでもなれるでしょ?
だって、お互いのこと、苦しくなるほど想ってる。
相手を傷つけながら、想ってる。
それってさ、それだけお互いが大事な存在ってことじゃん?
やり方は間違ってたかもしれないけれど。
そんな仲なら、なれる。
多分、きっと、いや、絶対。
親友っていう、何よりも大切な友達に。
でも、その前に。


