病院に着くと、早歩きで蛍の病室へ向かった。


「ほ、たる……」



 トントンッ


 ドアを叩くと、蛍の控えめな返事が聞こえてきた。


 ドアを開けて、蛍に近づく。


 蛍はこっちを見て、驚いている。

 少しずつ近づくと、目に入ったのは蛍の痛々しい姿。


 蛍……

 なんて姿になってるの……



 全身、アザだらけ。


 なんで、なんで。


 そんな姿になる前にあたしに何も言わなかったの?

 そんな姿になってまで、隠そうとするの?


 見ていたら、苦しくて。

 悲しくなって、悔しすぎて。


 けが人なのに、気づいたら頬を叩いていた。


 バシッ


「……いったぁ……」


「ほ、た……」


 あたしは、すぐに蛍を抱きしめた。


「……真心……」


「蛍……なんで、あたしに何も言わなかったの……っ?なんで、こんな姿になってるの……」



 涙が、溢れた。


「ごめっ……ごめん……」


 蛍も、泣いていた。


「謝んないで……あたしが謝らないといけないの……」


 向き合おう。

 あたし達は、まだやり直せる。

 ……きっと。


 本気で、ぶつかろう。



 だって、あたしと蛍は、親友だから。