いけっちが、あたしを呼ぶ。


「……なに。」


「ほんと、お前ら似てる。お互いのこと思いすぎなんだよ。だから、きちんと向き合わないといけないんじゃないか?」


 その通りだ。


 もしかしたら、本気で向き合わないといけないかもしれない。


「……タケル。」


「んっ?なんだ?」


 きっと、タケルはこれからあたしが言うことを分かってる。


「今日のデート中止!いけっち、蛍の病院どこ!?」


「三倉市の市立病院。」


「さんきゅっ、じゃあ!!」


「いってら~」


 タケルは、ドタキャンしたのにのん気に手を振ってる。


 そういう所、好きだなぁ……


 そう思いながら、病院へと向かった。


 近くでタクシーを呼んで、病院へと向かう。


 蛍、あたし達、向き合ってなかったね。


 きちんと話さないといけなかったね。


 今からでも、きっと遅くないよね……?

 親友だから。

 向き合って、話そう。

 逃げないで。


 そうしないと、失っちゃいそうだから。


 他人だけど、友達っていうのはそういうものでしょ?