「何をする!」

 と、柿雄は巨人の背中越しに叫んだ。

 巨人は茎雄を投げ落とした。

 三メートルの高さから落とされた茎雄は背中から落ちて、うめき声を上げた。

 まだ生きているが危険な状態だ。

「この野郎!」

 柿雄は渾身の力を入れて、巨人の背後から足を何度も蹴った。

 起き上がれない柿雄はこの作戦しかなかった。

 巨人は一歩前に足を出すがよろめいていた。

 柿雄に勝利があるのか。

 巨人はすぐに振り返った。その顔は笑みを浮かべ、奇声を発した。