柿雄は防御しかできなかった。

 このままで柿雄の命さえ危ぶまれた。

「柿雄、柿雄、柿雄……」

 茎雄は連呼するしか手立てがなかった。

「くそっ」

 柿雄は悔しくて涙を流した。

「こうなれば……」

 茎雄は巨人に向かった。

 だが、巨人は茎雄に気がつき、簡単に胴をつかみ持ち上げた。

「離せ」

 と、茎雄は言った。

巨人は軽々と茎雄を持ち上げたまま静止した。柿雄に背中を向けた。