警察署内はいたって平穏だった。

「大変です」

 と、茎雄は切羽詰ったように言った。

「どうしたんです?」

 田丸刑事は動じず、いかにも冷静に言った。

「妻が帰ってきたんですが、何とも奇妙なのです」

「奇妙?」

 田丸刑事は奇妙に反応した。

「一晩で大きくなるし、それに顔は男ですが……」

「巨人ですね」

「はい……」

「そうか……」

 田丸刑事は神妙な顔になった。