「おータロ!そよちゃんいんぞ!!」
廊下である集団と私がすれ違うと
タロくんはいつもいじられる。
そして今日もいじられる。
困った顔でごめんねと言いたげな顔を伺いながら必死に抵抗をするタロくん。
「なぁーまじそれやめよっ本人に言うとかどんな仕打ちよ!」
中心になっていじってるのは中学が同じで、委員会が私と一緒になって関わった事がある田沼亮太だ。
「そよちゃんどうするよ!タロが好きだってよ!!」
「阿保か!」
タロ君がベシッと田沼の頭を叩く。
2つも年上のくせにガキか!
と心の中でつっこみ、ははっと笑って誤魔化す。
こういう時どうやってリアクションとるのが正解なの!
彼らはいわゆるイケイケなグループなのだ。私にとっちゃ、とても大きい組織で6人グループでいる。
学祭、体育祭、イベントがあれば中心になって盛り上げ、何故かイケメンが集まっているような気がするのは、多分気のせいじゃない。