[短]翼を、ください。ー切なく甘いイブの夜を君とー

「ほんとは……私…


汚くて……ドロドロで…私の…心は…真っ黒で……


き…れいに…なれなくて……


最低で……最悪で……っ……んっ」



いきなり引き寄せられて唇に柔らかくて温かいものがあたった。



見とれちゃうほどに美しい睫毛が、私の前で下向きに閉じていた。



これって………



き……す…………?



何で………?何でキスをするの?




私は唇にあたる温もりに疑問を感じずにはいられなかったけど



その淡い期待の混じった疑問はすぐに泡になって消えてしまった。