[短]翼を、ください。ー切なく甘いイブの夜を君とー

「本当は綺麗な優しい心なんて、これっぽっちも無いの。


その左側の翼が治らなきゃいいのに。


羽なんて、生えなきゃいいのに。


もう、ジュンが飛べなきゃいいのにって。」



何でだろう。



想いを伝えるだけで、何故か涙が溢れ出す。


私って、いつの間にこんなに弱虫になったんだろう?



汚い女になったんだろう?



こんなの、嫌われるにきまってるじゃない。



うっとうしがられるに決まってるじゃない。



私のバカ、バカ、バカ、バカ。




止めよ、止んで、枯れちゃえよ、涙。



今はアンタが出る幕じゃないっつーの。




いくら言い聞かせても、涙は全然止んでくれない。