「よいしょー、っと。ふぅ。

いえいえ、自分はなんでも配達屋ですから」

中井くんこと『なんでも配達屋』の中井くんは、

さわやかな笑顔がトレードマーク。

いつもケーキ屋『橋本夢工房』に大量の材料を、

いやな顔ひとつせずに運んでくれるのだった。

そんな彼に、和が追い打ちをかけた。

「クリスマス前になるといつもの倍ぐらいたのむと思うけど、

よろしくね、中井くん」

「うっ……小麦粉200キロ……?」