トナカイ×トナカイ~いちごのケーキ~

とっても軽い口調で褒めた。

「いちご一粒についてるタネは50個ほど、ってホントですか?」

「そうらしいな。数えたことナイけど。」

「自分が配達に行った先で、必ず何か良いことが起こるんですよね。」

声をひそめていう。

そう。昨日から不思議なことばかりが起きていて。

「子どもの願いが叶ったり?」

そのとおり。中井は頷いた。

「いいじゃねえか。運び屋は幸せ運んでナンボだぜ。」