「ト・ナ・カ・イさん、ですよね?」

ちょっとすごみをきかせてみると、あっさり白状した。

「ははは。まあいいじゃねーか細かいことは。」

よくない。全然よくない。

昨日から聞きたいことがあったのだ。

もう一度、自分の前にトナカイが現れてくれたらと思って、

『トナカイ』と書いた紙を枕の下にしいて寝たぐらいなんだぞ。

「自分、きのうと今日とで50件ほどケーキ配達したんですよね。」

「よく頑張ったじゃん。りっぱりっぱ。」