トナカイ×トナカイ~いちごのケーキ~

和のおじいさんは、「ザ・サンタクロース」という感じの人だった。

真っ白い髪の毛、真っ白いひげ、恰幅の良い身体。

おまけに赤い洋服を着ている。

これでこびとのようなぼうしをかぶせたら、まんまサンタだ。

中井は凍えながらもちょっと感動した。

「悪いな、じーちゃん。

いそがしい時期に押しかけて。」

「いやいや。

この時期はみんな遠慮して来てくれんからな。

人恋しい季節じゃ。」

「サンタクロースの悲しい宿命ね。」

本当にサンタを生業としているみたいな会話だ。

気になるなあ、と思っているうちに、身体が温まってきた。