冷たい雪に甘いキスを…


俺は深呼吸して、まっすぐ山口を見据えて言った。

「華は…お前に渡したくない。」

「な、んだよ!この前と言ってることちげぇだろ!」


本気で怒っている山口を、俺はなおも落ち着いたまま見て、続けた。

「悪かった。あの時俺は…確かに、華が…好きだとは言わなかった。」