「あぁ、昔から写真は好きだった。」

「そうなんですか・・・。」




少し困ったような様子を浮べた会長とは比例して私は好きな写真について語ることが出来て満足した気分だった。




「私も昔から写真が好きなんですよ。
私の家は写真館で昔からたくさんの人が家にやって来て写真を撮っていきました。
その時は必ず皆さん、笑顔で・・・。
だから写真って・・・その瞬間の思い出を残しておけるからとっても楽しいんですよね。」




ニコッと笑って言うと会長はより困った顔をした。


写真について語りすぎてしまったかもしれない。



そんなことを思っていると会長が頭を下げた。




「いくら事情があったとはいえ、君の今日の案を却下しておきながらこうしてこの本を買いに来ていることは矛盾した行為だ。
すまない。」




会長が頭を下げている姿を見て私は慌てた。




「か、会長!頭を上げてください!!」

「しかし・・・。」

「私はいいんです。さっきも言ったように私は写真が好きなんです。
思い出をいつでも振り返ることが出来れば文化祭も忘れられない文化祭になるんじゃないかなって浅はかな思いつきであの企画書も提出しましたし・・・会長が責任を感じるようなことはありません。」




そう、会長が悪いわけではない。