「歳の離れてるお兄ちゃんが居るよ。あたしが、7歳の時に死んじゃったらしいんだぁ。」

「らしい?」

「あたし、施設に居たの。それで、お兄ちゃんと居たんだけどね。6歳の時あたしだけ引き取られて、7歳の時死んじゃったんだよって言われたの。何か、思い出せなくてさぁ。顔も。声も。名前も。歳も。」

悲しそうな目で言う憂菜。

凌は、驚きを隠せないようだった。


俺は・・・。

憂菜。

君が、あの憂菜何だよな?


「憂菜・・・」

「へっ?」

夏絵と秀汰は疲れて寝てしまっていた。

「やっと、会えたね?」

「・・・・?」

「名字は相澤。母さんは、専業主婦で親父はカメラマン・・・・。」

「何で、知ってるの?」

「8年前の事忘れたのかよ。施設の名前は青空学園。」

「あ!」

「思い出した?」

「お兄ちゃん・・・」

「憂菜・・・」

俺は、憂菜を抱き締めた。

「随分、でかくなったな」


「お兄ちゃんは、おじさんになったね。」

「まだ、24だし!」

「あはは!そっか。」

凌は、何故か泣いていた。

俺も憂菜も泣いていたけど・・・・。



憂菜・・・。
神様は意地悪だな。

あんな事になるなんてさ。