凌も気づいたようだった。

「憂菜ちゃんは、兄弟居るの?」

俺は、こんな事を質問していた。


だって・・・・。


俺の探してる人は・・・。



───────
8年前の夏。

「先生〜。憂菜がぁ〜。」

「先生〜。お兄ちゃんがぁ〜。」

俺は、物心ついた時から施設にいた。

つまり、俺には家族が居ない。


でも、俺が11の時妹がきた。俺の親は俺を捨てただけで、生きていてその後また子供が出来たが、また捨てたと言う。それが、憂菜だった。

まだ、1歳だった憂菜を俺は凄く可愛がった。

だけど、憂菜は5年後再び親に引き取られた。

俺は施設に残ったまま。

「お兄ちゃん!離れたくないよ!」

「憂菜。でも、行かなきゃ。また、いつか会える日まで、バイバイしよ?」

「お兄ちゃん・・・。バイバイ・・・・。」

16だった俺には、泣き叫ぶなんて出来なかった。俺は笑いながら送ってやったんだ。

大雨の日の事だった。

それいらい、雨は嫌いだ。

憂菜の涙を思い出してしまう。小さい体で、必死に泣いてる憂菜を・・・・。

ずっと探しているが、見つからず。

今日に至る。