「あのさぁ…」

「何だよ!俺、飲みすぎて頭痛くて早く寝たいんだわ。早く、言えって!」

玄関で立ち話する俺と凌。

「わりぃわりぃ。……こいつ、しばらく泊めてくれね?」

俺の顔色伺いながら、凌が言った。

「こいつ?」

「うん。朱音〜。」

朱音?

「何〜?」

何〜?
って、勝手に俺ん家入ってリラックスですか。
つか、凌も女家に入れんなよなぁ……。

「憂チン?こいつが朱音。」

「はじめまして!凌の友達の朱音です〜。」

「!」

顔を見て驚く俺。

「あ、さっきの!!」

最悪。
さっきの浮気女ぢゃん!

「あぁ〜、さっきの。もしかして、別れて行く場所無くなったとか?友達は、お前が悪い言って泊めてくれないし。凌は、実家だから〜とかだろ?」

「憂チン、よく分かったな」

やっぱり……。
必死に頭何か下げちゃって。しょうがねぇなぁ。

「はいはい。その変わり家事やってなぁ〜。」

「うん!」

ルンルンで、部屋に戻る朱音を確認すると、凌が耳打ちしてきた。

「手ぇ出すなよ!」

「は?出さねぇし!」

やべぇ…。
正直手ぇ出さない自信ねぇよ。女と夜二人きりって、無理だろ。俺、発情期だし。って俺最低…。