憂菜が話終わる前に、俺がすかさず言った。

「……分かった。」

沈黙の中、俺は聞いてみた。


「なぁ?憂菜幸せか?」

俺は何聞いてるんだか…。


「えっ?…うん。幸せだよ!」

一瞬下を向き、再び顔を上げ、笑顔で憂菜が答えた。

「そっか。良かった良かった。」

「お兄ちゃんは?」


憂菜の頭を撫でようとすると、憂菜が不安そうに聞いてきた。

「…俺?幸せだよ。」

嘘つき。

「本当に?」

「当たり前だろ!」

俺は、嘘つきだ。
だけど、俺以上に憂菜は嘘つき…………。


「良かったぁ!」

まったくガキみてぇな顔しやがって……。

あ、まだガキか。



「着いたぞ!」

「うん。ありがとね!」

俺は、学校の前に車を止めた。さすがに、家は行きたくないし……。

だから、憂菜が通ってる学校にいつも降ろす。

「おう!またな!」

「うん。バイバイ!」

車を降りると手を振りながら、走り去ってく憂菜。


「んっ〜…。」


ママとパパかぁ…。

俺は、再び車を出し、凌が待つ家に向かった……。



憂菜?
お前は、本当に幸せか?