「帰りません。」




メリーを睨むように言う私。




「・・・本当にいいんですか?」




しつこく聞くメリーに私は頷いた。




「でしたら、その顔をどうか笑顔に変えてきてください。」




先ほどとは違って優しく言うメリーに私は驚いた。




「良いんですか?」




首を傾げる私にメリーは溜め息をついた。




「良いも悪いも俺達は姫様の執事、メイドですから・・・。
姫様が望むことをするまでです。」

「大丈夫です、姫様!
あのクソ王子に姫様を渡したくありませんけど・・・今回は我慢します!」




ニコッと笑う二人に私は胸が熱くなった。




「ありがとうございます!」




私は二人にお礼を言って部屋を勢いよく出て行った。