「しかも、喧嘩の原因が新郎の方が新婦よりも衣装が高かったみたいで・・・新婦が怒っちゃって・・・・・・。」

「なら、新婦も衣装を高いのにすればいいんじゃないの?」

「そう思って、私が言う前に新郎が提案したらドレスにそんなお金かけるなんて馬鹿だって言いだして・・・。」

「それで、喧嘩になっちゃったんだ・・・。」

「そう!喧嘩するのは勝手なんだけど神聖な教会では止めてほしいわ。」




沙希は教会に憧れを持っているから、神聖な場ではあまり騒ぎたくないとよく言う。


きっと、沙希が結婚式をするなら教会だと思う・・・。



そして、絶対に綺麗なウエディングドレスだ。


そう思いながら、想像していると沙希がニヤニヤと笑ってこっちを見てきた。




「そういえば、私まだ柚亜と社長の話を聞いていなかったよね~?」

「え、な、何のこと?」




まるで獲物を捕らえた肉食獣のような目をしながら私に話しかけてくる沙希に私はタジタジ・・・。


こんな、沙希に捕まったら絶対に逃げられない。

それに、まだまだ仕事が残っているから残業だけはしたくない!




「ほら、仕事仕事!」




沙希に質問される前に私は仕事を始めた。


横にいた沙希はつまらない顔をしていたけど、なら今日はとことん付き合ってもらうから!と言って沙希と飲む約束をさせられてしまった。



イタリアで散々、飲んだからしばらく禁酒生活しようと思っていたんだけどなぁ・・・。



何て、言えるはずもなく無言で仕事を片付けた。