里佳子さんに連れてこられた場所はクローゼット部屋と言われる所だった。
もともと蓮のご実家のこの家は広くてお屋敷みたいな場所で・・・部屋も当然広いって分かっていたけど・・・・・・広すぎです。
私のアパートの部屋の何倍も広い部屋に気後れしてしまう。
「早く入って入って。」
楽しそうに笑う里佳子さんに私も笑うと里佳子さんはごめんなさいねといきなり私に謝ってきた。
「蓮から聞いているの。
貴方達二人がお互い恋愛してから結婚に・・・・・・今に至ったわけじゃないって。」
「え・・・。」
思わぬ言葉に私は驚いた。
ということは私達の関係を知っていて今日、会ったということ?
「柚亜ちゃんが酔ったところを蓮がお持ち帰りして柚亜ちゃんの初めてを奪っちゃったんでしょう?」
事の経緯を言われて私は真っ赤になる。
そんなところまで・・・。
「多分、蓮のことだから柚亜ちゃんが痛くないように慣らしてからしたと思うんだけど・・・痛かったかしら?」
里佳子さんが不安げに見て来る。
でも、私はその質問に答えることはできない。
だって、その時のことを私は覚えていないから・・・。


