「な、名前!」
「夫婦なんだからいいよね?」
「で、でも・・・いきなりすぎじゃないですか!?」
「全然。柚亜も俺の名前を呼んで?」
「む、無理です///」
男の人を名前で呼んだことなんて無い。
そもそも男の人とこれだけ長く話したことも無いんだから・・・!!
精々、会議とかくらいだし・・・。
頭の中でパニックになりながら考えていると社長は机の上に出していた私の左手を取った。
「えっと・・・?」
何をするのか分からなくて首を傾げていると社長は箱から指輪を取り出して私の薬指に通した。
そして、そのまま指に軽くキスをした。
その行為はまるで絵本の中の王子様のようだった。
「あ、あの・・・///」
「これで、柚亜は俺のものだね。」
「そ、そうですね///」
「名前で呼んで?」
可愛く首を傾げて言う社長に私はドキドキしてしまう。


