-しばらくして-


どうしてこうなったんだろう・・・。


朝と同じ感じに私は思った。



目の前には朝、出会った男の人。


そして一緒に同席してくれると言った沙希と篠田さんはいない。



そんな中で私はこの男の人と二人きりでイタリア料理を食べている。




「美味しくない?」




首を傾げて聞く彼。


可愛いと思ってしまう動作だけど今は可愛いとは思えない。



なぜなら、彼がうちの会社の社長だと知ってしまったから!!




「美味しいですよ。」




本当は味もよく分からない。


こんな高いお店に来たこともないし、目の前に社長がいて食べれるわけがない。



それに、私ったら・・・社長とヤっちゃたんだ!!


その事実が痛いほどに胸に深く突き刺さる。