そんな私の凹む姿とは対照的に莉那ちゃんはニコニコと笑って蓮に甘えている。


その様子に蓮も嬉しそうに莉那ちゃんの頭を撫でている。



「今日は何かあったの?」

「特に何も無いけど蓮の顔を見にきたの~♪」

「そっか…。」

「ねぇ、蓮。私、何か食べたいなぁ。」

「下にケーキがあるから食べる?」

「うん♪」



そう二人は楽しそうに話しながら部屋を出て行った。

残された私は少しだけ悲しい気持ちになりながら出て行った方のドアを見た。


別に悲しくなる必要なんかないのに…。

そんな私を見てか傍にいた東野さんは「申し訳ありません、奥様」と再び謝った。



「大丈夫ですよ。気にしていませんから…。」



気にしているくせに意地っ張りな私は明るく振る舞い蓮と莉那ちゃんの後を追いかけた。