「いやいや、最近の虫は困ったものですね。
どうやら、私の目を盗んであれよあれよという間に簡単に美しい花に近づいていくのですから。」




そういったカイルの目は私ではなくグレイ様に向けられている。


見ているだけで目をそらしたくなる視線だ。






「美しいものには誰だって近づきたくなると思いますが・・・。」




グレイ様も負けじとカイルに言っている。


なぜ、さっきまで甘い雰囲気だったのに一変してバトルモードになるんでしょうか?



さっぱり分かりません。



そんな二人の姿を私はただ眺めていた。