「どういうことですか!?
ラティス国の姫との婚約話が破談しようとしているって!!」

「え?あなたは・・・?」




一人のメイドが不振に思って私に聞いてきた。


その質問に私は真顔で答える。




「僕は・・・・・・いえ、私はそのラティス国の姫です。」




静かに告げる。


もう、執事のことなんかに構っていられなかった。



どうして勝手にもちかけてきた婚約なのに破断することも勝手に決まっているのか・・・それだけが頭の中にある。


そして、二人のメイドがクスッと笑った。




「あなたが・・・姫様?
・・・・・・姫様なのになぜこんなところでそんな格好をしているの?」

「私達に理由を聞かせていただけない?」




疑いのまなざしでこちらを見ている二人。


こうなることなんてもともと分かっていたから淡々と説明する。