「どうして、そんな顔をなさっているんですか?
・・・・・・グレイ様。」
「っ!」
少しの間しか一緒にいないけれどこの方が本当に優しいことは知っている。
だからこそ、どうしてそんな顔をなさっているのか理由があるはず・・・。
「どうして・・・ですか?」
「何を言っているんだ?
俺はもともとこういう顔だ。」
「嘘です。数日しか一緒にいませんけどグレイ様はこんな顔を見せてはいません。
見せてくれたのは・・・少しだけ照れくさそうな顔をしていたり僕の言ったことに笑ってくれた顔です。」
真剣な顔でグレイ様に伝える。
「どうして、レイはそんなことばかり見ているんだ?」
「だって・・・僕はグレイ様の執事ですから!」
うれしそうに私が言うとすっかりあきれたのか私をつかんだ腕が緩められる。
そのことにホッとする。


