ある物語

「貴様の後悔など、知るものか。」
「とか言って、メリーゼが悲しい顔するのを見たくないだけでしょー。ロリコンめ。」
「エリーザ！」
誂うエリーザにイザヴェルは怒りを露にする。
「あーあ。彼女の私より、メリーゼが好きなんだもん。まいっちゃうわー。」
「違う！」
「ちがうの！」
態とらしい態度にイザヴェルとメリーゼは声を揃えた。
「あの、あのね……あのね……イブは、おにいちゃんなの。おにいちゃんじゃないけど、そうなの。」
「血は繋がってないが恋愛ではない感情で繋がっている。解っていることを言わせるな。」
「はいはい。」
メリーゼとイザヴェルにエリーザは頷く。
くすくすとディーラとエリノアは笑った。
ハルデンは呆れている。
「でも、イザヴェルは“イブ”って呼んでいいのはメリーゼだけだし、メリーゼは“メル”って呼んでいいのはイザヴェルだけなのよ。狡いわよねー！」
エリーザはエリノアに同意を求める。
「ふふふ、でも……愛しているし愛されてるでしょう？」
「まぁね！」
エリノアにエリーザはふんぞり返った。
暫くの談笑の後、一同は外へ出た。