私の名前なんか、”諸橋いくみ”。 何だか、愚鈍な名前に思える。 私の胸の鉛は、ますます重くなっていく。 「行くよ」 陽平さんは、住宅のアルミサッシの引き戸を引き、また辺りをきょろきょろとして車に乗り込む。