「じゃあ、結婚しようか」

そんな仕草でさえ、いつものことなのに今はぎゅっと胸が痛む。


秘密の恋――。


初めは浮かれていたけれど、今はキツイかも。


そのまま手を引かれ、私たちはドアを閉めた。


陽平さんが鍵をかけている間に、私は教員住宅のアルミサッシのドアの横にある郵便受けを見た。