陽平さんは、洗面台でうがいをすると、そのまま玄関へ戻ってきた。 「行こうか」 私の手を取る。 彼は、ドアの小窓を覗いて、そおっとドアを開け、首だけだしてきょろきょろとした。 私と一緒にいるところが見られたら、まずいもんね。