心の天秤

カリカリ… カリカリ…

みんな真剣ノート取ってるけど、私は全く耳に入ってこない。
なぜか、さっきの先輩の笑顔が頭から離れてくれないんです…!


「あ ! 名前聞いてないじゃん!」
いきなり席を立ってしまったせいで注目の的な私…
恥ずかしいいいい〜〜ぃぃ…


「桜木うるさいぞ、座れっ」
「す、すみません…」

私は静かに席に座り、またしても考え事。ただでさえ、勉強が苦手だが今だけは勘弁してほしい。



「これで、4限目終わり。給食当番急いでけよ〜!」


私じゃんか …


教科書などは香英乃に任せて、せせっと階段を降りていく。
先輩も給食当番だったり…


「うわ、最悪。食器じゃん!」
これを女子1人で持たせる男子は何を考えてるんだか…。
などと、どうでもいい事を考えながら食器を持ち上げようとする。

「お、おも…!?」

ヒョイッ

「お前、成長とまるぞwwww」
と、軽々しく食器を持ってくれたのは、先輩だった。

「いや、あの、自分で持てるんで!」
「重いって言ってたべや〜!お前も女の子なんだし無理すんなって。あとチビだしなww」

また、笑う。


そんな笑顔で言われたら、断るなんて勿体無くなってしまう。
「じゃあ、お願いします」
素直になってしまう自分が気持ち悪い。

「そういや、チビ名前 なんつーの?」
「私の名前は、桜木桃菜…です。先輩の名前も教えてくださいっ」

またまた笑顔で先輩は…

「う〜ん。秘密!ww」


…………はい?