そんな可愛い格好とは。。。


いつも制服か指定ジャージな私には絶対に似合わないもの。


ヒラヒラな水玉スカートに白いブラウス。

いかにも 恋する女の子♡

って感じだけど。


『あ!明鐘!』

『。。。誰?』

渚が呼んだ男を睨み加減で見つめる。

『明鐘翔悟【あかがね しょうご】です!
よろしくな?』

どうやら、隣の中学校の生徒で、渚の小学校の同級生らしい。

『で、どうしてその同級生野郎がいるわけ?』

チャラい奴は嫌いだ。


『ちょっ。。。梨花ぁ!』

渚は小声で言う。

『ウチの5年間してる片想いの相手だょぉ///』

『えぇぇぇーー!?!?』

『嘘ーマジで?』

恥ずかしそうに顔をそらす渚。

一途とはこーゆー事だろう。


『歩原ー!こっちこっちー!』

『ども。歩原宇宙です///
て、あれ。。。萩原?なにその格好』

『歩原!梨花ばっかみないでよ///』

あー。。。バカップルだなぁ


渚と明鐘は良いムードだし、
歩原と愛流菜なんてイチャイチャモード。

あぁ、ここは空気を読んで。。。


『私 先帰るわ。』

ちょっと付き合い悪いかな?まぁいーか。

『え、ちょっ梨花!?』

『1人で合コンなんてやるなぁ』


さすがに彼氏が欲しくなった。
恋がしたくなった?冗談じゃねー。
イライラして来たわ。

『お嬢ちゃん、遊ばない?』

チャラい奴は嫌いだっつーの。

『路上の邪魔。どけよ。クーズ』

『いい面してんじゃねー。。。か!!!』

男の蹴りが私に来る。


『身の程知らず。』

ボコッ

『アァァ。。。アー!!!』

掛け声入れて胴回り中天蹴り。

見事に男の腹に命中。弱。


『調子に乗ってると痛い目に合うぜ?』

キラーン

ナイフ。。。



この強い私には1つ欠点がある。


金属恐怖症。


見たり触ったりするだけでゾクゾクしてしまうー。。。

『くっ。。。』

『大人しくついてこねーと。。。』


ゲシッ


『邪魔なんだよばーか。頭使え。
あーたーま。』

だ。。。誰!?


そう。。。今思えばこれが運命の出会いと
言えた。

『いい歳こいた大人がよぉ、ナンパか?
気持ちわりーったらありゃしねー。
さっさと行けよクソ野郎。』

『何だよ!?クソガキ!!』

『すみませーんここにナイフ持った男が
女子中学生襲ってマース!
逮捕してくださーい』

『な!?。。。ちくしょう!』

タタタタタッ

な、何なのコイツ!!

『大丈夫?萩原 梨花さん』

さっきの言葉とは裏腹に優しい笑顔を見せる。

『な、何で私の名前。。。!!』

『空手と剣道と合気道を全てこなす美少女
って噂になってるから。』

『っつー。。。』

『てゆーか、本当に強いね。
あのナイフも蹴り飛ばすんじゃないかな
って見てたんだけど。。。』

『み、見てたの!?』

『うん』

何なのこの人。。。

『どーして蹴り飛ばさなかったの?』

『恐怖症なの。。。金属の。』

『そーなんだ!
じゃあ俺が来てくれて良かったね?』

『あ、ありがとーございます』

『てか、めちゃくちゃ強いね。
本当にすげーよっ』

目をキラキラさせて言う彼の言葉に私はドキッとした。

〝めちゃくちゃ強いね!〟

どーして。。。

誰も言ってくれなかった言葉を
言ってくれるわけー。。。?

『でも、怖かったでしょ?女の子だし。』

この人。。。エスパー!?


『あ。。。』

訳わかんなくなって

その場で泣いてしまった。


『強くなくてもいーんじゃない?
強い前に女の子なんだからさ。』

『あ、あなた名前はー?』

『上条 奏多【かみじょう かなた】
15歳だよ☆』


その笑顔に。。。


生まれて初めて恋をしてしまいました。


苦手で、大嫌いで、面倒くさかったのに。。。


恋を克服したんじゃなくて。。。

この人を好きになったんたー。。。


それが私の運命の出会いでした。・:+°