「さよーならー!」
風に乗ってノートが飛んでいく。
「あっ!」
ガラガラガラ・・・
静かに開くドア。みんな気づいていない。むしろ誰も気付くことはないだろう。
「返して・・・」
静かに低い声が響くように聞こえる。
その声はすぐ消えた。
気のせい?
「おい・・・聞こえたか?いまの」
「あぁ・・・聞こえた」
「返して・・・ってな・・・」
「男子があんなことするからだよ!」
女子で泣いている人もいた。
みんな思っているだろう。
呪われると・・・・。
そうはいっても簡単には見つからないだろう。
風に飛ばされたのだから。
もし・・・あれが・・・
ほんとうに、あの姉妹だったらと考えるとゾクゾクする。


